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小学生なのに、なぜ自分で支度ができない?-お助けアイテム5選‐

朝の支度のお助けグッズ 子育て

発達障害の子どもでもできる!朝の支度をスムーズにする方法。

小学生になったら自分で支度ができるようになると期待していたのに、毎朝声をかけても準備をしてくれない。結局、親が全てやってしまう。こんな経験をしている保護者の方は少なくないでしょう。幼稚園までは仕方ないと思っていても、小学生になってもこの状況が続くと、不安や焦りを感じてしまいますよね。しかし、なぜ子どもたちは自分で支度ができないのでしょうか?その理由と対策について、詳しく見ていきましょう。

発達障害のお子さんに起こっていること

発達障害を持つお子さんの場合、支度ができない背景にはいくつかの要因が考えられます。

まず、「めんどくさい」という感情が強く出る場合があります。これは単なる怠惰ではなく、実行機能の困難さが関係していることがあります。実行機能とは、計画を立てて実行に移す能力のことで、ADHD(注意欠如・多動性障害)の方々はこの部分に苦手さを感じやすいのです。

次に、あいまいな指示が理解できないというケースがあります。「支度をしなさい」という漠然とした指示では、具体的に何をすればいいのか分からない子どもがいます。これは、ASD(自閉スペクトラム症)の特徴の一つである、抽象的な概念の理解の難しさと関連しています。

また、何をしたらよいのか分からないという状況も起こり得ます。これは、情報の整理や優先順位付けが苦手な場合に見られます。広汎性発達障害(PDD)の特徴の一つとして、全体像を把握することの難しさがありますが、これが支度の困難さにつながることがあります。

さらに、他に気になることがあって動けないというケースもあります。これは、ADHDの特徴である注意の転導性の高さが関係しています。例えば、テレビの音や窓の外の景色など、周囲の刺激に注意が奪われてしまい、支度に集中できないのです。

これらの背景には、注意力の問題、ワーキングメモリの弱さ、情報の整理の難しさ、時間の管理の苦手さなどが複雑に絡み合っています。ワーキングメモリとは、情報を一時的に保持し操作する能力のことで、これが弱いと複数の作業を同時に行うマルチタスクが困難になります。

学校で起こってくる様子

支度の問題は家庭だけでなく、学校生活にも影響を及ぼします。

一人で授業の切り替えができず、板書→自習→先生の話を聞くといった動作の移り変わりについていけない子どもがいます。これは、注意の切り替えの難しさや、作業の順序立てが苦手なことが原因として考えられます。

また、机の上や引き出しがぐちゃぐちゃになってしまう子どももいます。これは、空間認知の苦手さや、物の整理整頓のスキルが十分に発達していないことが関係しています。特に、協調性運動障害(DCD)を持つお子さんの場合、細かい作業が苦手なため、整理整頓に困難を感じることがあります。

さらに、必要な時に大事なものが見つけられないという問題も起こりがちです。休み時間中に次の授業の授業準備をしているが、リコーダーが見つからない・・・というようなことになりがちです。これは、物の配置を記憶することや、効率的に探す方法を考えることが難しいためです。視覚的な情報処理が苦手な場合、この問題がより顕著に現れることがあります。

どのようなサポートができるか

子どもたちの支度をサポートするために、環境を整えることが重要です。以下にいくつかの方法を紹介します。

  • テレビを消すなど、準備に集中できる環境を作ること。注意が他に向いてしまうお子さんは大切です。特に聴覚過敏のあるお子さんの場合、静かな環境が集中力を高めるのに効果的です。
  • 毎日必要なものをマグネットで視覚化し、分かりやすく示すこと。視覚優位の子どもにとって、目で見て確認できる手がかりは非常に役立ちます。下のビジュアルスケジュールを例に見てください。そして、支度をするというのは、何をすることなのか、一つずつ順を追って教えていきます。体操着を用意する、ランドセルに筆箱を入れるなど、具体的に指示をしていきましょう。
  • 体操着などをまとめて入れるかごを用意し、取り出しやすくすること。これは、物の管理が苦手な子どもにとって、大きな助けとなります。どこに何があるのか分からなくなるお子さんには効果的です。下の仕分けボックスを例に見てください。
  • 玄関にマルチポケットを設置し、ハンカチやティッシュなどの小物を入れておくのも良いでしょう。これにより、最後の確認が容易になります。「これ忘れてた!」なんてときに取り出しやすく便利です。これなら、学校での清潔検査も安心です。
  • 学校の支度をする時間は、前日にしましょう。慣れるまでは、親御さんと一緒にじっくり取り組んでください。このような悩みを抱えるお子さんは、朝に時間がないことが多いです。起きれない、朝食を食べるのが遅い、着替えるのに時間が掛かるなどの事情がある場合は、前日に取組んでください。そして、できたらたくさん褒めてあげましょう。

あると助かるサポートアイテム5選:

ビジュアルスケジュール:1日の予定を絵や写真で示すボード。時間の管理や見通しを立てるのに役立ちます。

「やることがなーい」「何したらいいの」というお子さんには、スケジュールボードを使い、時間でやることを決めるようにしましょう。

時間割ボード

タイマー:視覚的に時間の経過が分かるタイマー。時間の感覚を養うのに効果的です。

学校の支度に目標時間を決めて、やる習慣をつけましょう。

子ども用タイマー

仕分けボックス:色分けされた収納ボックス。物の分類や整理整頓のスキルを育てます。

給食セット、体操着、習い事の道具などをボックスごとに入れていくと、取り出しやすくなります。

仕分けボックス

チェックリスト:準備物を書いたリスト。自己確認の習慣をつけるのに役立ちます。

計画帳を見て用意ができないお子さんには、こちらを使ってみましょう。

準備ボード

マルチポケット

玄関にハンカチやティッシュ、マスクを入れて、掛けておくと便利です。

マルチポケット

これらのアイテムは、子どもの特性に合わせて選択し、活用することが大切です。

準備をさせる方法

支度の習慣づけには、段階的なアプローチが効果的です。

①一緒に準備をすることから始めましょう。「ここを見て」「次はこれ」と、手順を追って説明しながら何度も繰り返し行います。この過程で、子どもの得意・不得意を把握することもできます。

②見守りながら準備させる段階に移ります。子どもが自分でやろうとする姿勢を大切にし、必要に応じてサポートします。ここでは、子どもの努力を認め、励ますことが重要です。

③徐々に、子どもが自立して準備できるよう導いていきます。この際、視覚的な手がかり(チェックリストや写真など)を活用すると、子どもの自信につながります。

④さらに、ビジョントレーニングや作業療法など、専門的なアプローチを取り入れることで、より効果的に支度のスキルを向上させることができます。特に、DCDのあるお子さんの場合、これらのトレーニングが大きな助けとなる可能性があります。

まとめ

小学生になっても自分で支度ができない子どもの背景には、発達障害の特性が関係していることがあります。これは決して怠惰や甘えではなく、子どもたちなりの困難さがあるのです。

重要なのは、一人ひとりの子どもの特性を理解し、それに応じたサポートを提供することです。環境の調整、視覚的な手がかりの活用、段階的な指導など、様々なアプローチを組み合わせることで、子どもたちの自立を促すことができます。

また、発達の凸凹を理解し、得意な部分を活かしながら苦手な部分をサポートすることも大切です。例えば、聴覚優位の子どもには音声での指示を、視覚優位の子どもには絵や写真を使った指示を心がけるなど、個々の特性に合わせたアプローチが効果的です。

支度ができるようになるまでの過程は、決して一直線ではありません。時には後戻りすることもあるでしょう。しかし、子どもの成長のペースを尊重し、根気強くサポートを続けることが、最終的には子どもの自立と自信につながります。

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